百人きもの
2019.11.27 水曜日
百人きもの
きもの発祥の地 筑波山にて ~金色姫伝説~
今回が2回目の開催です。去年に引き続き11月の筑波山に100人の着物姿が集まりました。
それは鮮やかで圧巻です。
金色姫伝説
今年は「金色姫伝説」をテーマに、筑波山と着物文化が繋がる瞬間をお届けしました。
筑波山を着物で彩る「 百人きもの」。着物の産地と大きなタイトルとなっていますが、筑波山山麓の神郡地区に伝わる金色姫伝説を今年のテーマに選んだ理由が伝われば、納得してくださると思っています。
消えゆく民話や神話を残したい。
このままでは忘れられていくものに出会ったとき、どうすれば残せるか。資料として残すことは簡単ですが、私たちが残したいのは、記憶です。
おばあちゃんから聞いた話し。お母さんから聞いた話し。昔から伝えられてきたもの・・・
形ではないもの。を大切にしたと思います。
蚕影神社に伝わる金色姫伝説を100人に聞いてもらえました。
朗読を篠笛にのせて
養蚕の産地
全国各地に養蚕発祥の物語は多く伝わります。どこが発祥と言うことより、ここ、つくば市神郡地区で養蚕の伝説があるという事実に心が躍ります。奈良、平安時代は全国から絹が都に運ばれたと歴史に残っています。ここ筑波山からも都に絹が運ばれたのでしょう。近くには平沢官衙遺跡もあり想像が広がります。
絹から着物ができます。
着物
タイトルが「百人きもの」です。着物がメインと思われそうですが、そうではありません。
日本文化と問われて、思い浮かべるひとつが着物だと思います。
若い世代から、先輩方まで着物を着ることができます。日本人ならば、生まれてから一度は着物を着たことがあるのではないでしょうか。お宮参り、七五三、成人式など。これを機に日本文化の伝承までつながればと思います。
大切なことは、日本文化の伝承です。日本が世界に誇れる文化の象徴「着物」で集う「百人きもの」を企画しました。今後もドレスコードは「着物」になります。ただし、お好きな着物でお越しください。品評会でも、自慢大会でもありません。お持ちのお気に入りの着物。母から譲り受けた着物。タンスにしまったままの着物。リサイクルショップで購入した着物。種類は問いません。大切なことは、「お好きな着物」と言うことです。
イベントでは着付けやレンタルもできますが、ほとんどの方が着物姿で来場されることには驚きました。
世代を超えて
「百人きもの」は筑波山華やぎプロジェクトが主催のイベントです。2018年に立ち上げました。当初は女性5名。40代から70代という親子ほどの年の差を活かした、世代を超えた繋がりを軸にしています。今年はさらに男性2名が加わりました。
横のつながりのイベントは多いと思いますが、私たちは伝承を大切にしています。世代で分けてしまっては伝えることができません。
イベントで終わらせるのではなく、古き良き伝統を大切に引き継ぎながら、人と人とのご縁を結ぶ新しいコミュニティーを育みます。地域活性につながる筑波山発の華やぎの文化創生を目指しています。
筑波山の豊かな自然から「五感」「歴史」「文化」をキーワードに筑波山の魅力、茨城県の魅力を発信したいと思っています。
(華やぎプロジェクト理念より)
筑波山
*写真:筑波山神社正式参拝の様子
これほど魅力のあるる山は数少ないと思います。筑波山は一年中登ることができます。これは一年中賑わう山と言うことです。登山だけでなく、全ての人が楽しめる山。その魅力を発信していきたいと思います。
「常陸国風土記」に万葉集の嬥歌会(かがい)の舞台、筑波山麓にはその当時、1万人もの人が集まったという史実があります。また、日本最古の歌集「万葉集」4500首以上の歌の中で筑波山を歌ったものが25首もあります。万葉の時代から華やいできた筑波山の歴史も引き継いでいきたいと思っています。
今回で2回目の「百人きもの」。成功や失敗で片づけるのではなく、忘れたくない文化をつなぐ場になればいいと私は思います。次回は、どんな素敵な記憶のバトンが次の世代に引き継がれるのだろう。
最後に。「百人きもの」に関わり、また参加してくださった全ての方に感謝いたします。また、これからも筑波山華やぎプロジェクトの一員として、筑波山ガイドの知識を深め地域活性に貢献できるように努めていきたいと思います。
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